凛と相沢先生
洗いながら、別にもうこのまま言わなくてもいいのではないかと思った。
それくらい平穏な時が流れていたから。

タオルで手を拭き、タイミングを見計らっていると、

「凛、ここおいで」
と、唯斗君が振り返りソファをポンポンとした。


もう、今しかない。


そう思い、唯斗君が座っているソファ下で正座をした。

「うん?なんのマネ?」

「唯斗君あの…ごめんなさい…私..」

「うん?どうしたの?」

「それは」

「それは?」

「それは…」

「それはさ、
熱があったのに黙ってたこと?
西音寺の家に行った事?
そのことを俺に黙ってたこと?」

「えっ、なんで」

「さっき西音寺に会って聞かされた」

「えっ」
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