凛と相沢先生
診察室に入ると、いつものように唯斗君が居て、椅子に座るよう手で合図をした。

「こんにちは」

「こんにちは」

「お待たせしました」

「はい、待ちました」
唯斗君は、うざって顔でニコッと笑った。

「あれ、今日なんでスーツ?」
と、突然、看護師の高橋さんに聞かれた。

「大学の入学式だったので」

「そうだったんだ、おめでとうございます」
そう高橋さんが言うと唯斗君も、

「おめでとう」
と笑顔で言い、

「ありがとうございます」
と、私が言うと、また直ぐにいつもの診察に戻った 。

「最近、喘息は出てる?」

「夜にたまにでます」

「そっか、昨日は?でた?」

「出てないです、最近だと3日前にでました」

「そっか、じゃあ、聴診するね」
そう言い、服を少しまくった。

「反対向いて、
はい、いいよ、じゃあ、口開けて」

その後も淡々と診察していき、
「じゃあまた、吸入薬出しとくから」

そう言って、私は診察室を出た。
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