ブルー、ブルージーンズ
大輔には口が裂けても言うまいと思っていたけれど、あたしはずっと結婚したかった。


いまどき結婚に執着する女なんてかっこわるいし流行らない。

けど、あたしは大輔と結婚したかった。

そんなことを思う自分が恥ずかしくて、無理に感情を押し殺しているようなところがあった。


だからこそあたしの浮かれようといったらなかった。

早々にバイトを引き上げて、帰りに奮発してケーキを買ったりして、駆け足で家に帰ったら、ダイニングに肩を落として座ってるくらーい顔の大輔が待ちかまえていた。


あ、ちがう。

プロポーズなんかじゃない。


と、それで気づかなかったんだったら、相当な鈍感だ。

あたしは一気に天国から地獄に引きずりおろされたような気分になった。
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