ブルー、ブルージーンズ
テーブルの上には、朝食に使った食器やあたしの読みかけの雑誌がそのままになっていて、いつも多めにたっぷりいれるコーヒーは空になっていて、灰皿には吸殻の山ができていた。


朝からずっと、ここでこうしていたんだ。

あたしは入り口に立ち尽くしたまま、大輔の横顔を見つめた。

まるで、知らないひとみたいだった。


ただいま、とあたしが声をかけるより先に、大輔が口を開いた。

「別れようか、と思ってるんだけど」

「は?」

あたしは絶句した。

それはあまりに唐突で、突拍子もないことだった。


なにを言われたのか、よくわからなかった。

いや、ちがう。

なにを言われたのか、その意味を理解した上で、なにがなんだかよくわからなかった。
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