知らなかった、お前をこんなにも好きになるなんて…

「あー、純平さ、この間校内表彰された部活って覚えてる?」

「この間はバドミントン部だろ?石川と……近藤って言ってたな、近藤は俺は知らない子だけど」

「近藤は知ってる、小学校で同じクラスになったことがある、あれ?近藤なんて表彰されてたっけ?」

「うん、されてたよ、寝てた?(笑)」
「記憶がないな」

「石川は俺は保育園から一緒だし」
「えっ!純平って、征と同じ保育園?」

「そうだけど……何で保育園だけで征史郎がでてくる?」

「あっ……」


純平に夜ハンバーガーショップで石川に会ったことを話した

「なるほどな、それは夜の練習の帰りだな」
「夜の練習?」

「そう、俺の姉ちゃんがバドミントン部だった時に友達と何回か練習に行ってた時期があって、それが石川のクラブだったんだって」

「部活以外に練習してるってことか」

「まあ、そうだろうな、姉ちゃんが行ってた時は小学生だったから……あいつ上手いよ」

俺は机に覆いかぶさった

「なんだよ、純平に聞けば早かったのかよ」
「どういう事だよ」

「俺……ずっと何組か探してたんだよ」
「へぇー(笑)」

純平はからかうように俺を見た

「隣のクラスじゃん(笑)」
「いや、だから教室にいなくてな、征にクラスを調べてもらって……」

そこまで言うと恥ずかしくなって話すのをやめた

「斗真がねー」
「別に……何もないし」

机に頭を付けたままプイッと純平とは反対の方に顔を向けた

「まずさ、お前が知らないって事は俺と同じ小学校じゃん?」
「……」

「名前がわかってたら何故俺に聞かないかな?」
「……征と一緒の時に会ったから……」

「俺には好きになった人を教えてくれない訳?」
「別に好きなんて言ってないし……」

斗真は純平の顔を恥ずかしくて見れなかった

「そっか……まあ、斗真は女友達も多いし、俺じゃなくても同じ小学校の奴らに色々聞けばわかる事だしな」

午後の予鈴がなり純平は自分の席に戻った
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