One s death -the last sword-
ちなみに第1位は『ザスクートいじめ』。
「あぁ、国外での諜報活動を頼みたいのだが」
「国外?」
ラーバン王の手から、1枚の紙が投げられる。
内容は、諜報活動をしなければならない国の情報。
「少し短いが、それで頼む」
「…はあ」
短い。
短かすぎる。
そこには、国外の者でも分かるような内容が堂々とのっていた。
無理でしょう。
これは、不可能でしょう。
密かにため息をつく。
まーた幸せが逃げていくぅー…。
「まぁ、何とかしてみますけど。何かしでかしたんですか?この国」
ラーバン王が、ザスクートの手元にある紙を示す。

―今までは発展途上国だったが、最近急に先進国の仲間入り。
…何か裏があるのか?

日記か?
「いつになったら、出発できる?」
「そうですねぇ…。明日には、何とか出発できると思います」
部屋を見回すと、何も家具がうつらなかった。
今自分が座っている椅子と、目の前にある机。
ラーバン王が座っている椅子。
その他には窓のカーテンと、クローゼットだけ。
ベッドは壁に隠れていて見えないが、それでも家具は極端に少ない。
服は数着しかないので、毎日洗濯だ。
多分、子供の頃の癖なのだろう。
ザスクートは、貴族だ。
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