One s death -the last sword-
だが、貴族の型にはまった生き方に嫌気が差し家を飛び出す。
こんなただ大きいだけの家に、求めるものなんてあるはずがない…。
その後幼いラーバン王に拾われ、城に住む事になる。
当たり前といえば当たり前なのだが、親からの連絡は途絶えたままだ。
ラーバン王何回目かの誕生式典の時に1度見たが、顔を背けられてしまった。
もう、繋がりなんてなくなったも同然だ。
そして、今にいたる。
俺は何もしないまま、城にいるわけにもいけない。
でも、やらせてもらえる事は何ひとつない。
できるだけ、迷惑のかからないように…。
まず、金を使わなかったのだ。
自分の事に。
なかなか、子供の頃の癖になった事は消えないから。
「じゃあ、よろしく頼む」
「王の仰せのままに、動きますよ…」
目線を下げて、頷く。


寒さが、日に日に強くなっていく気がしてならない。
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