One s death -the last sword-

「…苦し〜く〜長い〜道のりは〜」
先程聞いた、田舎国特有の故郷の歌を歌ってみる。
できるだけ、普通の観光客と思われるように。
今日の午後、城に入り働き始める。
大体が、下働きの方が情報収集しやすいのだ。
しかも内部には入る事ができないかわりに、色々な外部の噂は入ってきやすい。
まさに、諜報活動万歳。
「すみませんが、城は何処ですかね?」
「あの大きな屋根が見えるだろう？あそこだよ」
だて眼鏡をずらしながら、一応確認してみる。
成程、知ってたけど。



城に入るとまず、真新しい服に着替えさせられた。
新しい部屋をもらい、全ての部屋を案内してもらう。
どうやら、俺の仕事は城の警備らしかった。
第１関門の『始門』という田舎国特有の門をくぐると、第２関門の『中門』と呼ばれる部屋への入り口をくぐる事ができる。
この『始門』と『中門』との境、つまり門と入り口の扉の中間地点の警備を任せられた。
俺の他に、後数名いるが興味無し。
「じゃあクラバス、明日から頑張ってね」
俺のここでの名前は、クラバス・リチャード。
偽名を使っていないと、万が一諜報活動が終わった後、その活動を知られてしまう事がある。
戦に発展する可能性もある。