One s death -the last sword-
どんな過酷な未来が待っていようとも、今よりはきっと良かった。
ただ、あの時あの言葉を言っていれば、何か失っていたかもしれない。
未来を知った時、失うものがなかったかもしれない。
「…アリアとは、どうだ」
俺は怖くて、言葉を紡ぎ出す事ができなかった。
「アリアですか」
アリアとは、ラーバン王が定めたレベッカの婚約者だ。王城に近い家に住んでおり、貴族の娘だった。
「どうもしませんよ。この頃王太子殿下のお世話が忙しいものでして」
「そういえば、朝も夜もレベッカの顔ばっかり見てる気がする…」
なにしろ、王太子殿下の身辺警備なのだ。
月の大半は、多分レベッカと24時間一緒にいる。
「いいなぁ、婚約者って。俺なんか変な財力と権力がついちゃって」
「変なんかじゃないですよ。かっこいいです」
満面の笑みを見せるレベッカに、俺は疑問を覚えた。
血が飛び散り、生か死しか選べなくなる戦でこいつは、どういう顔を敵に見せるんだろう。
この邪気のない笑顔が、どう変わるんだろう。
そして、こいつの何がその戦で失われるのだろう。
ただ、あの時あの言葉を言っていれば、何か失っていたかもしれない。
未来を知った時、失うものがなかったかもしれない。
「…アリアとは、どうだ」
俺は怖くて、言葉を紡ぎ出す事ができなかった。
「アリアですか」
アリアとは、ラーバン王が定めたレベッカの婚約者だ。王城に近い家に住んでおり、貴族の娘だった。
「どうもしませんよ。この頃王太子殿下のお世話が忙しいものでして」
「そういえば、朝も夜もレベッカの顔ばっかり見てる気がする…」
なにしろ、王太子殿下の身辺警備なのだ。
月の大半は、多分レベッカと24時間一緒にいる。
「いいなぁ、婚約者って。俺なんか変な財力と権力がついちゃって」
「変なんかじゃないですよ。かっこいいです」
満面の笑みを見せるレベッカに、俺は疑問を覚えた。
血が飛び散り、生か死しか選べなくなる戦でこいつは、どういう顔を敵に見せるんだろう。
この邪気のない笑顔が、どう変わるんだろう。
そして、こいつの何がその戦で失われるのだろう。