One s death -the last sword-
「レディック様の好きな、料理長特製のパンじゃないですか」
服に袖を通したレディック様に近付き、胸の金具をひとつずつとめていく。
これを見た女官長が『過保護すぎる』と言って笑ったが、もう自然にやってしまう。
「さあ、できた。顔を洗ってきてください」
扉の側にある洗面台に走って行く。
それを何とも言えない表情で見送った後、窓のカーテンを開けた。
1瞬で、暗かった部屋の中に太陽の光が差し込む。
扉の開く音がしたので、振り返って部屋を出る。
廊下に出ると、暑い空気が全身を覆った。
「あっちぃ…」
すぐに、レディック様の簡潔な感想が口からもれる。
俺は、温度差で頭が痛くなった。
女官とすれ違う度に、レディック様は微笑みを返していく。
1度、その事について問いかけると。
『だって、何もしなかったら無視してるみたいじゃん』と切り捨てられた。
大きな扉を開け、中に入ると朝食の匂いが香ってきた。
香ばしいパンの香りと、少し焦げた肉の香り。
甘酸っぱい、果物の香りもする。
王太子殿下が部屋に入ると、すぐに音楽が鳴り始めた。
『音楽が鳴ると、何もかもが素敵になる』という王女の方針に基づいたものらしい。
ゆったりとした曲調だった。
服に袖を通したレディック様に近付き、胸の金具をひとつずつとめていく。
これを見た女官長が『過保護すぎる』と言って笑ったが、もう自然にやってしまう。
「さあ、できた。顔を洗ってきてください」
扉の側にある洗面台に走って行く。
それを何とも言えない表情で見送った後、窓のカーテンを開けた。
1瞬で、暗かった部屋の中に太陽の光が差し込む。
扉の開く音がしたので、振り返って部屋を出る。
廊下に出ると、暑い空気が全身を覆った。
「あっちぃ…」
すぐに、レディック様の簡潔な感想が口からもれる。
俺は、温度差で頭が痛くなった。
女官とすれ違う度に、レディック様は微笑みを返していく。
1度、その事について問いかけると。
『だって、何もしなかったら無視してるみたいじゃん』と切り捨てられた。
大きな扉を開け、中に入ると朝食の匂いが香ってきた。
香ばしいパンの香りと、少し焦げた肉の香り。
甘酸っぱい、果物の香りもする。
王太子殿下が部屋に入ると、すぐに音楽が鳴り始めた。
『音楽が鳴ると、何もかもが素敵になる』という王女の方針に基づいたものらしい。
ゆったりとした曲調だった。