One s death -the last sword-
生まれた王太子殿下は、何ともいえない感動を運んできてくれた。
自然にわきあがる笑みが、おさえられない。
王子の瞳は、透き通った水色だった。
普通の水色とは違い、全てを見透かすような。
そして髪の毛は、王にも王女にも共通する金色。
茶色も、混ざっていた。


「レベッカ・ラクロイム。ラクロイム家の少年」
4才の少年は、理解しているのかしていないのか。
その瞳で、王を真っ直ぐに見つめた。
「少年は、我が国の王太子殿下を守ってくれるか」
返事は、なかった。
ただ、瞳は揺るがなかった。
「……少年?」
その瞳を、覗き込む。
王子と同じ、透き通った水色の瞳。

幼い騎士は
微かに頷いた。


誰かの為に
剣を抜き取り
自分の為に
切り開けるように。
それがたとえ
正義であろうと
悪であろうと
自分の信じた道だけを
突き進めるように。
そういう意味をこめて

『レベッカ・ラクロイム』

――生まれながらの騎士

という名をつけた。
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