One s death -the last sword-
初めて他人の口から語られるレベッカの過去に、俺は相槌をうつのも忘れて真剣に聞いていた。
部屋の外は、異常な程静かだった。
「レベッカ・ラクロイムとレディック王は、年が近いせいもあって、一緒に学習していたようです。
ゆくゆくは、レディック王専属の身辺警備の騎士か補佐官になるんだと、皆確信していました。
学力にも秀でて、レディック王とも良い仲であったようです」
「その頃から完璧って、結構腹立つ」
照れ隠しのように下を向き、指をいじる。
昔も、今みたいな関係だったんだ。
「そしてレディック王が6歳の時に、『ウィード・ガウン』を授かって。これには、僕も行きました。そこで『マーク』をしるし、お2人は授剣式を終えます」
「レベッカって、どんな子供だった?」
「僕の知る限りの噂話では、欠点なんてないと思います。
剣術は、皆が認めていて城内の騎士を負かしてしまったとか。まだ、10になったかなってないかの頃くらいですよ。
学力の方は、レディック王といい勝負でした。
…でもその反面、無理をしてたみたいです」
「…無理?」
ラクトンの語る話を、頭の中で想像していく。
ようやく部屋の寒さに気付いたが、今は聞く事が先だ。
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