One s death -the last sword-
「で、父上はどこにいるんだ?」
「多分大広間かと。イグナイア国王陛下と対談もされるらしいですから」
悪戯をする共犯者のように、レベッカは俺に向かって不適に笑う。
そして、傍らを通り過ぎようとした兵士を呼び止め、居場所を聞き出す。
「国王陛下…は、多分大広間の方にいらっしゃるかと。イグナイア国王陛下もいらっしゃっている事ですし、庭園に行かれた可能性もあるかと思います」
「そうか、丁寧にありがとうな。…名前は?」
俺が話しかけると、そいつは深々と頭を下げた。
俺はどうしたらいいのか、さっぱり分からずレベッカを振り返ってしまった。
「殿下が名前を聞かれている。…名は?」
「サワスト・キャーリと申します」
まだ頭を上げないサワストに、俺は動揺するばかり。もしかして、これが普通なのか?
「サワスト、何かお礼したいんだけど…」
「…え?」
こればかりはサワストもとっさに頭を上げ、まじまじと俺の顔を見つめる。
「ごめん、変な事言った。もう、行っていいよ。ありがとう」
照れからか、ものすごく頬が熱い。
レベッカと距離を置くように早足で歩くと、あっという間に大広間の前に行き着いた。
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