One s death -the last sword-
「僕に言わせると、気にする事ないの1言ですむんですけど。
レベッカ・ラクロイムは、親の力で城にいる。
その事から、自分は両親がいなかったら何の価値もない、この城の中で自分はのけ者だ、と思ってたようです。
ここからは、父に聞いた話なんですが。
そのため、人1倍物事に時間をかけてやって、剣術の練習の時に倒れる事もありました。
…レベッカ・ラクロイムは、こんな子供です」
「こんな子供って…」
俺はラクトンに苦笑いを返しながら、椅子の上で膝をかかえた。
目を閉じると、俺の頭では想像しきれないようなレベッカの過去が思い出される。
近くで、ラクトンの低い押し殺すような声が聞こえた。
「…何笑ってんだよ」
ついには、腹をかかえて爆笑しだした。
何がそんなにおかしいのか、予想できない。
「いや、こんなに近くにいたのに、こんな初歩的な…事も知らなかったのかっ…て」
多分、俺とラクトンの笑いのツボは全く違う。
「まあ、これで少し王と近づけたような」
「…何で」
ラクトンとの差をつけるために少し膝を近づけながら、俺は斜めにラクトンを見た。
ラクトンは、眼鏡をかけ直しながら、微笑む。
「王でも…そんな馬鹿…失礼」
< 160 / 201 >

この作品をシェア

pagetop