One s death -the last sword-
口端が、不自然にひきつっていく。
こいつは少し、ムーストンと似ているところがある。
「そんな失敗をするですね。…多分、今までにない方法で国を進ませるんじゃないかな」
「えー?」
俺は普通に椅子に座り、疑うように挑発した。
それにのるようなラクトンの笑みも、心地いい。
「もしかしたら、ひっどいものになるかもよー?労働時間は、1日20時間とか」
ふざけて言う俺は、上目づかいに薄く笑いかける。
「その時はその時ですよ。カスクライ王国を呼んで、暗殺を企てます」
くるくると器用にペンを回しながら、ラクトンは机に向き直った。
「さて、このまま話し続けると夜が明けますよ。そろそろ眠られたらどうです」
「うん、そうする。色々ありがとうな。おかげで、気がちょっと楽になった」
「光栄ですね。おやすみなさい」
「おやすみ」
部屋を出ると俺は大きく伸びをし、レベッカのいる部屋を軽くノックする。
そして、声をひそめて1言言うと満ち足りた気分で部屋に戻った。
「おやすみ、レベッカ」

道は何処まで続くか分からないけれど、きっと上を見上げれば空が広がっている。
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