One s death -the last sword-
だが、森を抜けると俺の放心状態も1瞬でさめた。
「レディック王…」
そこには、何千何万もの人が俺を待っていた。
俺の視界は、人ばかり。
「こんなに集まって、どうしたの?」
「…皆、貴方を待ち望んでたんですよ。レディック王」
その時、俺の手を強く握る者がいた。
ナタルだ。
「…ナタル」
「レディック・ラ・アンサー王」
俺に向かって控え目に笑うナタルは、小さく俺の名前を呟いた。
「認めてくれるの?ナタル」
わざと意地悪にそう聞くと、小さな少年は恥ずかしいという風に、顎をひきながら頷く。
「…うん、レディック・ラ・アンサー王。僕も、国の皆も王様だって認めてるよ」
子どもながらの率直な物言いに、1瞬吹き出しそうになった。
また、視線を元に戻すと全ての目が俺を見ていた。
ラクトンやディット、ラグアベールやタリーさんまで見える。
爪先で地面を軽く掘ると、大地の温かさが伝わる気がした。
クリスタント王、ベルカ王女。
父上母上……俺戻ってきたよ。
「レディック様」
いつにもなく微笑んでいるレベッカと拳を軽く合わせる。
ずっと我慢していたのに、やっぱりレベッカの顔を見ると目が潤んだ。
レベッカの目が、細くなる。
「レディック王…」
そこには、何千何万もの人が俺を待っていた。
俺の視界は、人ばかり。
「こんなに集まって、どうしたの?」
「…皆、貴方を待ち望んでたんですよ。レディック王」
その時、俺の手を強く握る者がいた。
ナタルだ。
「…ナタル」
「レディック・ラ・アンサー王」
俺に向かって控え目に笑うナタルは、小さく俺の名前を呟いた。
「認めてくれるの?ナタル」
わざと意地悪にそう聞くと、小さな少年は恥ずかしいという風に、顎をひきながら頷く。
「…うん、レディック・ラ・アンサー王。僕も、国の皆も王様だって認めてるよ」
子どもながらの率直な物言いに、1瞬吹き出しそうになった。
また、視線を元に戻すと全ての目が俺を見ていた。
ラクトンやディット、ラグアベールやタリーさんまで見える。
爪先で地面を軽く掘ると、大地の温かさが伝わる気がした。
クリスタント王、ベルカ王女。
父上母上……俺戻ってきたよ。
「レディック様」
いつにもなく微笑んでいるレベッカと拳を軽く合わせる。
ずっと我慢していたのに、やっぱりレベッカの顔を見ると目が潤んだ。
レベッカの目が、細くなる。