One s death -the last sword-
口をきつく結んでも、1度流れ出した涙は止まらない。
今まで、何回泣いただろう?
でもその度に、レベッカが支えてくれた。

「ありがとう…レベッカ」

ラクトンとディットが、俺の前に膝をついた。
俺はただ、その光景を見つめる。
「…レディック王、1生王に仕える事を、誓います」
ラグアベールも、その隣で静かに微笑んだ。
「………俺は」
頭の中が真っ白で、言葉がうまく出てこない。
だけど、俺は口を開いた。
「俺は、やっぱり皆が認めてくれるような『王』には、なれないかもしれない」
いつでも弱気で、すぐ頼って泣いて、挫折ばかりだ。
だけど俺は、諦めない。
俺を信じてくれる民がいる限り、俺が諦める事なんて絶対ない。
「けど俺は、もう皆を悲しませるような事はしない。犠牲は、出さない」

どこまでも俺は、レベッカの姿を探してた。
小さい頃から、ずっと。

「それで充分ですよ」

全て
レベッカがいなければ
できなかった事だ。

「レディック王」

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