One s death -the last sword-
本当に言っていいのか、迷っているのだろう。
「らしくないな。ザスクート?」
「……ベルカ王女、にです」
ザスクートに微笑みを向けて、許しを与える。
頭の中では、ベルカを育てたラ・サズリック王国がうかんでいた。
「区切りは、もうとっくについていたのかもしれないな」
「……」
背もたれに、体を預ける。
ザスクートが、目にかかった髪の毛をはらった。
きまりわるげに、咳払いする。
「今でも、愛していいんでしょうか?」
ザスクートは、俺に問いかけてはいなかった。
自分自身に、自分自身の心に、問いかけているのだ。
「過去に愛した、これ以上ないってくらい愛した人間を、今でも愛していいんでしょうか?」
胸の奥が、微かに温かくなる。
ベルカは、最期まで俺を愛してくれていた。
「……もう、この世にいなくても」
うつ向いた顔が、更にうつ向く。
もう、認めてしまう事しかできない。
今でも、逢いたくなる。
少しの事で、ベルカを求めてしまう。
この手で、最愛の者を殺してしまった。
今でも 逢いたくなる。
「いいんじゃないか、愛しても」
多分1生彼女を越える人は、現れないのだから。
「ラーバン王」
ザスクートの顔が上がる。
「らしくないな。ザスクート?」
「……ベルカ王女、にです」
ザスクートに微笑みを向けて、許しを与える。
頭の中では、ベルカを育てたラ・サズリック王国がうかんでいた。
「区切りは、もうとっくについていたのかもしれないな」
「……」
背もたれに、体を預ける。
ザスクートが、目にかかった髪の毛をはらった。
きまりわるげに、咳払いする。
「今でも、愛していいんでしょうか?」
ザスクートは、俺に問いかけてはいなかった。
自分自身に、自分自身の心に、問いかけているのだ。
「過去に愛した、これ以上ないってくらい愛した人間を、今でも愛していいんでしょうか?」
胸の奥が、微かに温かくなる。
ベルカは、最期まで俺を愛してくれていた。
「……もう、この世にいなくても」
うつ向いた顔が、更にうつ向く。
もう、認めてしまう事しかできない。
今でも、逢いたくなる。
少しの事で、ベルカを求めてしまう。
この手で、最愛の者を殺してしまった。
今でも 逢いたくなる。
「いいんじゃないか、愛しても」
多分1生彼女を越える人は、現れないのだから。
「ラーバン王」
ザスクートの顔が上がる。