One s death -the last sword-
他国の王にしつこいとは何だ、しつこいとは。
口をひきつらせて笑う俺と何も気付かないレベッカを見比べながら、アリアが微笑む。
「それで、開戦するかもしれないんだな?でも国の規模からいって、カスクライ王国の圧勝じゃないか?」
「いいえ」
初めて声を出したアリアが、俺の言葉を遮った。
その堂々たる意思表示に、思わず耳をかしてしまうような。
「実は、サラザレット王国の北に位置するパーソン王国がサラザレット王国と異常な親密ぶりを見せているんです。両国で食事会を開いたり」
俺は、他国の王を招いてまで食事会をするカスクライ王国を見た事がない。
そんな時間の無駄のような事はラーバン王は嫌うだろうし、何よりあの不機嫌そうな顔が前にあると美味しい食事も微妙になる。
うまくやるだろうが、やはり想像はできない。
そんな不謹慎な事を考えていると、レベッカがため息をついた。
そのため息の意味が分からなかったように、俺は明日の事さえも分からなくなっていた。
当たり前、という一言で片付ける奴もいるかもしれないが、もうそんな次元じゃない。
一冊の本でさえ、運命を左右する時代だから。
口をひきつらせて笑う俺と何も気付かないレベッカを見比べながら、アリアが微笑む。
「それで、開戦するかもしれないんだな?でも国の規模からいって、カスクライ王国の圧勝じゃないか?」
「いいえ」
初めて声を出したアリアが、俺の言葉を遮った。
その堂々たる意思表示に、思わず耳をかしてしまうような。
「実は、サラザレット王国の北に位置するパーソン王国がサラザレット王国と異常な親密ぶりを見せているんです。両国で食事会を開いたり」
俺は、他国の王を招いてまで食事会をするカスクライ王国を見た事がない。
そんな時間の無駄のような事はラーバン王は嫌うだろうし、何よりあの不機嫌そうな顔が前にあると美味しい食事も微妙になる。
うまくやるだろうが、やはり想像はできない。
そんな不謹慎な事を考えていると、レベッカがため息をついた。
そのため息の意味が分からなかったように、俺は明日の事さえも分からなくなっていた。
当たり前、という一言で片付ける奴もいるかもしれないが、もうそんな次元じゃない。
一冊の本でさえ、運命を左右する時代だから。