One s death -the last sword-
何でもない日常の中で、一瞬の出来事が全てを変える。今までの美しかった日々を忘れさせるような、運命。その鍵となるものを、自分の手で見つけるなんて。
俺は、隣を歩くレベッカと一緒に図書室へ向かっていた。
「いきなりどうしたんですか。いつもは寄り付きもしないのに」
「なんかいつもは読めって強制されてるみたいで嫌だったんだけど、もう自分の本は読んじゃって。しょうがなーく」
俺は少々、変なプライドをもってる時がある。
「新たな発見があるかもしれないですね」
外から、水がはねる音・ロアとセアの声がする。
寒い中、水遊びとはすごいものだ。
大きく茶色い扉を開けると、独特なにおいが鼻をつく。北に向けられた大きな窓から、少し寒い風が吹いてくる。天井は高く、大きな絵画が飾られていた。
見るかぎりでは、前王のカバーラレット王という事しか分からない。
その絵画に届くような本棚には隙間もない程本が詰め込まれており、それが8つある。
難しそうな政治の本にこそ興味はないが、これ程あると読まなければ損という気持ちになる。
俺は適当に本を抜き出し、パラパラとめくった。
異国の言葉だが、ある程度なら読める。