One s death -the last sword-
「しず…かなその国は…大きな争いもなく…」
まるで子ども向けのような本だが、先を見ていくと結構残酷だ。
「王に仕える民と…民を想う王とで…国は栄えていっ…た…」
悪い予感がした。
冷たい風が一瞬だけ止まり、俺の声だけが部屋に響いた。本を閉じたい、と本能的に思った。
ぐるぐると、並べられた字が頭の中で回る。
「そんな…国だからこそ資源が豊富で…カスクライ王国は…。これ、カスクライ王国の歴史?知らねー」
いつの間にか、レベッカが隣に来て俺の手元を覗きこんでいる。
「何、レベッカ真剣に…」
「いいから、先を読んでください」
俺はぶつぶつ文句を言いながらも、声に出して文章を読み上げた。
素直に内容は入ってこないが。
「カスクライ王国は、『ラ・サズリック王国』の侵略を考えた。その侵略に、あまり時間はかからずラーバン王は、2万の兵を率いて『ラ・サズリック』に向かった。予告のない、急襲である。 だが、その際『ラ・サズリック』の第1王子と第1王子に仕える騎士が、生き残り…」
言葉が、形のあるように喉につかえる。
心当たりがあるわけではないが、動揺をおさえる事ができなかった。レベッカがいつになく感情を表に出し、続きを急かす。
まるで子ども向けのような本だが、先を見ていくと結構残酷だ。
「王に仕える民と…民を想う王とで…国は栄えていっ…た…」
悪い予感がした。
冷たい風が一瞬だけ止まり、俺の声だけが部屋に響いた。本を閉じたい、と本能的に思った。
ぐるぐると、並べられた字が頭の中で回る。
「そんな…国だからこそ資源が豊富で…カスクライ王国は…。これ、カスクライ王国の歴史?知らねー」
いつの間にか、レベッカが隣に来て俺の手元を覗きこんでいる。
「何、レベッカ真剣に…」
「いいから、先を読んでください」
俺はぶつぶつ文句を言いながらも、声に出して文章を読み上げた。
素直に内容は入ってこないが。
「カスクライ王国は、『ラ・サズリック王国』の侵略を考えた。その侵略に、あまり時間はかからずラーバン王は、2万の兵を率いて『ラ・サズリック』に向かった。予告のない、急襲である。 だが、その際『ラ・サズリック』の第1王子と第1王子に仕える騎士が、生き残り…」
言葉が、形のあるように喉につかえる。
心当たりがあるわけではないが、動揺をおさえる事ができなかった。レベッカがいつになく感情を表に出し、続きを急かす。