One s death -the last sword-
「俺は…仕えるべき主をなくした時、その時にこの『ウィード・ガウン』で自分で自分の命を絶とうと決めてるんです」
「あー…ごめん約束破る。意味分かんねぇし、俺そういうの大っっっ嫌い」
俺は、ため息をついた。
自殺としかとれないその行動を、最も嫌う人間の1人だからだ。
「…予想以上に傷つきます」
「知ってるか?生きてる事を苦に思って命をまぎらわしく思うのは、人間だけなんだってよ」
自分が言っている事はよく分かるし、我ながらいい言葉だと思う。
だけど、自殺ととれるレベッカの行動の原因を作る人間の言う事じゃないと、後になって思った。
言い過ぎた、と強く思ったが今更どうなるわけでもない。
「…ごめん、続けてください」
だから一言呟いて、変な敬語で続きを急かした。
「はい…。王城の外を探そうと走り出したその時、レディック王の奇声が小さく聞こえたような気がしたんです。声を追っていくと薔薇園…1番燃えが激しい薔薇園にレディック様はいました。俺は夢中で火の中のレディック様に、手をのばしてひっぱりました。…そこでレディック様は、ご自分がラ・サズリック王国の王になる事を宣言したんです」
自分の知らない自分の歴史を、俺は認めた。
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