One s death -the last sword-
認めざるをえなかった。
「ですがその時、ラーバン王が来たんです。…手に、クリスタント王の赤いマントを持って」
「赤いマント?…まさか、あの時はおってた…」
城から脱走した時に見たあの手入れされた、赤いマント。
あんな身近な所に、真実があったなんて。
「ラーバン王は、名医に調合させた薬を使いレディック様を眠らせました。興味本意で、誘拐しようとしたんです」
「でもラーバン王は…クリスタント王に興味をもったって…」
「それも多少はあるでしょうが、あの時レディック様は他国にも名前を知られる程有名だったんですよ。ラ・サズリック王国の王太子殿下というだけでなく、無類の本好きですごく頭が良かったですから。…歴史も大好きで。だから色々な意味で、手元においておきたかったんだと思います」
時折、耳を塞ぎたくなるような現実をつきつけられた。
だけど俺が体験した現実だから、手が動かなかった。
そんな俺の気持ちを少しでも和らげようと、ついにレベッカが木の枝を集めて火をおこす。
「俺は剣を抜いてラーバン王に襲いかかりました。…でも駄目だった!!俺1人の力じゃ、レディック様を助けられなかった!!…それから俺は気を失い、気付いた時には全てを
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