One s death -the last sword-
「…どこまでも、1人だと思ってるからですよ。レディック様が信じていないだけで、きっと皆助けてくれます。『信じてくれない』のは、『自分が信じてない』からです」
息もせずにそう言うと、レベッカは歩き出した。
「レベッカ!!」
俺の足は、自然とレベッカの後を追っていた。
多分、王城に向かっている。
…初めて会った時からそうだった。
レベッカの後をついていけば、新しい世界が開ける。
こう自覚する事は、俺としてはとてつもなく悔しい事だけど。
「…王城に行ってんのかよ?」
「はい」
人の真似をしない、なんて事できるはずがない。
その事をやる事自体もう人の真似をしているし、オリジナルだってきっと誰かがもうやっている。
結局は、『自己満足』。
自分は他と違う事をしている、という優越感にひたり自己満足で終わっている。
だから『希望を持つ事が大事』とかいう。
…もう疲れた。
どんどんと、王城が近くなってくる。
もう1度建て直したのか、白い壁がとても綺麗だ。
「…何ていう城?」
「『ラ・アンサー・クシュバーハラ』…です」
声に出さずに何回も呟くと、頭に残って離れない。
ぎゅっと手を握りしめながら、目を離さないよう気をつける。
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