One s death -the last sword-
ザスクートは、激しく後悔していた。
昨日の午前から溜まっていた仕事を、今日の午後まで引きずってしまったのだ。
こんな所ラーバン王に見られたら、どうなるか分からない。
あの水色の瞳で睨まれると、流石の俺も駄目だ。
ザスクートは机の上に溜まっている紙屑を全部ゴミ箱に入れ、書類の山を整頓する。
1枚の紙が、机の上から落ちた。
大きく舌打ちをし、膝を曲げて拾う。
目を通してみると、それはまだ確認していなかった内容だった。
本当に、今日は気分が悪い。
1瞬だけ感じてしまった興奮を抑え、椅子に座る。
肘をついて内容を頭の中に入れる…なんて事はできない。
寒さも、この苛立ちをどんどん大きくさせた。
「……はあ」
幸せが、また逃げていった…。
ドアがノックされたが返事しないていると、いつもの専属の召し使いが熱い茶を運んできてくれる。
火傷させたい気分なのか、覗き込んだだけで汗が出てきた。
手で顔を扇いでいるのを見て、気付いてるなら冷ませよ、と言いたくなる。
ここは冷静に。
この城の中で、問題を起こす気はないのだから。
そしてたまーに外での仕事があると、天にものぼる勢いで問題を起こしまくる。
いい、ストレス発散法。
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