【短】何光年先の原石を

「香織、君は言うなれば宇宙だ。君の生み出す作品の一つ一つが空に散らばる星になる。」

香織はよく意味が分からなくて戸惑う。
それでも何とか理解したいと耳を傾けた。

「君は今、デビュー作の人気に追いつかない事に焦っているんじゃないか?」

確信を突かれてドキリとした。
言い訳がましく何かを口にしようと思ったが伯父の顔をみてそうするべきではないと感じた。

「今、君が頑張ったことが直ぐに光ることもあるだろう。だけど、直ぐに輝きが読者に届かないこともある。それは星と同じじゃないかな?」

「だけど、どれだけ頑張っても光らないものもあるわ。」

「それはまだ光が届かないだけかもしれないよ。案外、死んでから光るかも。」

死んでからって…、と思ったが伯父は本気で言っているようだった。
今、教科書に載るような有名な画家さん達だってそうであっただろう?と。
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