2005
「…書いてるとこ見てて楽しい?」
『あ、嫌だった? ごめんね?』
「いや、全然いいんだけど!」
『字、綺麗だなって思って…』
と目を伏せて日誌を見る彼女に見惚れてしまった
教室の窓から射し込む夕日が彼女の美しさを際立たせていた
長い睫毛が頬に影を落として
小さな顔にツルツルの綺麗な肌
頬杖をつきながら髪を耳にかける仕草
その全てが愛おしいと思った
そんな自分の視線に気づいたのか、上目遣いで彼女がこっちを見てきた
きっと時間にしたら3秒とか5秒ぐらいだっただろう
でも自分にはすごく長く感じた
息もできなかった