再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~
『あ…いりさん…愛莉さん?』


気づいたら、賢人君が私のことを心配そうに見ていた。


『ご、ごめんね、賢人君。すごくびっくりしちゃって…』


『すみません…突然、驚かせてしまいましたね』


『あ、頭の中の整理が追いつかなくて』


『そりゃ、そうですよ。急に僕なんかに好きとか言われたら…迷惑ですよね』


賢人君…


どうしてそんな悲しい顔をするの?


私まで…


つらくなるじゃない。


『もちろん、迷惑とか…そんなことはないよ。賢人君が、もし、本当に私を想ってくれてるなら、それは嬉しい。うん…すごく、嬉しい』


でも、ここから先、心に思う自分の言葉を繋げるのは心苦しかった。


私にとって賢人君は、1つ年下の可愛い弟みたいな存在。


恋愛以外の部分では、大好きな人。


大切な同僚…仲間。


そのことを今ここで言うべきなの?


賢人君の顔を見てたら、なぜか上手く伝えられなかった。


『愛莉さんには、好きな人、いるんですか?』
< 122 / 185 >

この作品をシェア

pagetop