再会は魔法のような時を刻む～イケメンドクターの溺愛診察～

切な過ぎる恋心～瑞side～

その翌日、山下君が病院の中庭にいるのをたまたま見かけた。


『山下君』


声をかけて近づくと、


『あ！菅原先生。こんにちは』


と、笑顔で答えてくれた。


『仕事？』


『はい、今日は…愛莉さんはいないですけど』


『まだ手が痛むみたいだからね…』


『…そうですよね』


山下君は沈痛な面持ちで、そうポツリと言った。


愛莉の怪我のこと、まだ気にしてるのか…


『仕事頑張って…じゃあ、また』


『あの！先生』


去ろうとしたら、彼が慌てて叫んだ。


『…すみません、お仕事中にこんなこと…』


『いいよ、何？』


『…愛莉さんって…昔はどんな子どもさんだったんですか？』


愛莉のこと？


『…ああ、彼女は…そうだな。一言で言うと、癒し…かな。側にいるだけで、いつも気持ちを落ち着かせてくれた。他の友達にもそうだったと思う。とにかく優しい子だよ』