再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~
『今と変わらないんですね…』


俺は、その言葉にうなづいた。


『あいつは、何も変わらない。ただ…とても…大人になった』


大人になる…


それは当たり前のことだけど…


そこには、俺なりの愛莉へのいろんな思いがこもっていた。


『どんな風に…ですか?』


『それは秘密だな。でも、愛莉に再会した時は、本当にドキドキした』


あの時は、自分でも信じられないくらい気持ちが高ぶってしまった。


それを気づかれないようにするのに、必死に平静を装った。


恋焦がれながらも、別れることになった想い人との運命的な再会に…


俺は、信じられない程に胸が熱くなったのを覚えてる。


でも、ドキドキしたなんて、どうして山下君に話してしまったんだろう?


『うらやましいです。あなたは、ずっと昔から愛莉さんを知ってて、そして…今も…愛莉さんのことを独り占めして…』


やっぱり…


『同じだと思ってたよ。君も、彼女が好きなんだね』


山下君は、僕の指摘にたいして驚くこともなく、深くゆっくりとうなづいた。
< 134 / 185 >

この作品をシェア

pagetop