再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~
『そんな!どうしてそんなこと言うの?ひどいわ!お父様なんて大嫌い』


昔からそうよ。


お父様は、私を守ってくれない。


医師になっても、私を認めてくれないんだ。


瑞先生のことは、あんなに褒めるのに…


お父様に、あの女、そして、私を選ばない瑞先生。


私の怒りの矛先は、いくつにも枝別れしていった。


お父様にはもう頼まない。


私が自分で何とかするから。


何か良い手はない?


お父様も、瑞先生もダメなら…


直接、あの女に言えばいいんじゃないの?


私はすぐに花屋に電話をかけた。


あの女が出て、今夜話たいことがあるからと携帯番号を聞き出した。


そしてその夜、私は、自分の部屋から電話をかけた。


『こんばんは…小川先生、どうされたんですか?』


嫌な声。


かわいこぶった、癇に障る声だ。


『あなたに話したいことがあるの』


『…あ、はい…何でしょうか?』
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