再会は魔法のような時を刻む～イケメンドクターの溺愛診察～

何を言うんだ？


菅原先生は、僕のことをジッと見て続けた。


『大学時代、あなたのこと、すごく優秀な人だって思ってました。友達もみんな言ってましたよ、坂井先輩は何をやらせてもすごいって。女子達も、頭がいい上にカッコいいって…憧れてました。私は…間違いなく、あなたを尊敬してたんです。嘘じゃない、本当に…』


なぜそんなことを言うんだ？


胸が…苦しい。


僕は、いったいどうしたんだ。


『そんな立派な先輩が、こんなにも医師として逸脱したことをしてる。それが残念でなりません。あなたは…このままでいいんですか？このまま堕落しても後悔しないんですか？』


堕落？


僕が…堕落してるって言うのか？


おかしい…


どんどん苦しくなっていく…


胸が…痛い。


涙も…


溢れて…


『同じ医師として言います。その素晴らしい腕を患者さんのためだけに使うべきだ。あなたにはそれだけの力がある。坂井先生は…他にはいない、唯一無二の素晴らしい外科医です。後輩をがっかりさせないで下さい。私に、医師として立派に戦うあなたの背中を追いかけさせて下さい』