再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~
やっぱり、私にはこの人しかいないって…


そう思えたから。


だから、私は言ったんだ。


『…嬉しい。こんな私で良かったら…よろしくお願いします』


って。


瑞は、その言葉が言い終わらないうちに私を抱きしめた。


『人がいるから恥ずかしいよ、離して』


『わかってるけど、もう少しだけ…』


「離して」なんて言ってはみたけど、そうやって周りを気にする以上に…


今は、瑞といられる嬉しさの方が勝っていた。


『左手出して』


差し出した手に、瑞は指輪をはめてくれた。


薬指に、ゆっくりと…


『えっ、どうして?嘘みたいにピッタリ…』


『良かった。指輪のサイズ変わってないな。お前が高校生の頃に言ってたサイズで作った。太ってて、サイズが変わってなくて良かったよ』


意地悪そうに微笑む瑞。


『うわ、ひど~い。太ってないよ…って、本当はちょっとだけ太ったけど。でも、ちょっとだけだよ』
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