再会は魔法のような時を刻む~イケメンドクターの溺愛診察~
人生って…


本当に人それぞれにいろいろあって、奥深いんだと思った。


そうは言っても、私はまだ24年しか生きていない。


人生の深さを語るには、ちょっとまだ早いかも知れないな。


花束を作り終えて、私は男性に薔薇を手渡した。


感慨深気にそれを見て、男性は「ありがとうございました」と、私に何度も頭を下げ‪て店を出て行った。


頑張って…


私は、心の中でその背中に語りかけた。


「ラ・フルール(1輪の花)」


これが、私の勤める花屋の名前。


フランス語の店名で、可愛くて、すごく気に入ってる。


小さな頃から花が大好きだった私。


大人になったら花屋で働く…


それが、ずいぶん昔からの夢だった。


まだ働き出して2年目だけど、大手のフラワーチェーンに入社して、いろいろな研修も終え、この支店に配属になった。


店員もみんなが仲良くて、今は後輩の指導も任されるようになった。


今年の春に入社したばかりの、山下 賢人(やました けんと)君、23歳。
< 5 / 185 >

この作品をシェア

pagetop