離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
昼食から帰宅すると十三時から雅樹さんとアポを取っていた『帝商フーズ』の高崎峻斗(タカサキシュント)社長がソファに腰を下ろしていた。
『帝商フーズ』は総合商社『帝和商事』の傘下に属する生活関連商品や食品分野などを分離独立させた系列会社。


その脇に控える秘書の姿に驚愕した。

元カレの神戸浩明(カンベヒロアキ)さん・・・
理知的な黒い瞳に銀色の眼鏡、澄ました顔立ち。
細身のダークグレーのスーツに身を包み、出で立ちは昔と変わらなかった。

「どうした?そんな所に突っ立って…」

「彼女が奥さんだっけ?」

「まぁな」

「高崎社長は俺達の住む『ビバレッジレジデンス』の三階に奥さんと子供の三人で住んでいる」

「あ…そうなんですか…」

「そうだ…紹介しとくよ。最近、俺の秘書に就いた神戸だ」

「神戸浩明です。
よろしくお願いします」

神戸さんはポーカーフェイスで元カノの私に自己紹介した。
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