離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花～

妻の元カレは…

雅樹side－

「これからが勝負だよね…高屋副社長」

俺は『花菱銀行』の脇坂頭取と令嬢の美波里さんの三人で赤坂の老舗料亭『梁山泊』の懐石料理を楽しんだ。

「はい」

脇坂頭取が俺の杯に徳利の酒を注ぐと「今度は俺が入れさせて頂きます」と言って徳利を受け取り、頭取の杯に酒を注いだ。

「しかし、心外だな。俺は君と美波里がてっきり結婚すると思ったから…」

「申し訳ありません。
父には秘書の遊佐と交際していて何れは結婚すると説明していなくて…美波里さんを傷つけるようなコトをしてしまって」

俺は真摯に謝罪した。

「我が銀行と『高屋』は君が産まれる前から親しい間柄なんだよ…君は改革、改革と言って『高屋』をどんどん変えていってるけど」

「申し訳ありません…脇坂頭取」