離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
「君を護るのは俺の役目だろ?梓」

「まぁ」

「まぁじゃないよ…そうなんだ」
雅樹さんは強い口調で言うと私の顔を至近距離で覗き込む。

そして、唇に優しくキスする。

「でも・・・美波里さんはウチのメインバンクの令嬢だし」

「だから…今日…父と一緒に脇坂頭取に会って…見合いの件をもう一度謝罪した。そんな時に神戸さんからのラインが来て…君の妊娠を知った。
さすがに妻の妊娠を知った脇坂頭取も離婚しろとは言わなくなったよ…俺はこの子の存在に救われた…」

彼はまだぺったんこの私の下腹部に触れた。

二人の子供が居るであろうお腹を。


「二人の甘い新婚生活もおしまいか…でも・・・家族が増えるのは嬉しいコトだな」

「うん」
私も素直に頷く。

「こんにちは・・・俺が君のパパだよ…」

なんて雅樹さんはお腹の赤ちゃんに話し掛けた。
意外と彼は子煩悩なのかもしれない。
私は又副社長の別の顔を見るコトになる。




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