離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
入籍最初の一ヵ月は全く営みがなかったが、互いのキモチを重ねた後は甘い蜜月を過ごした。
雅樹さんは仕事も多忙なのに、寝る間を惜しんで私を求める彼を見ていると、愛されているんだとココロは充足感で一杯になったけど、彼のカラダが心配だった。

『東亜医科大付属病院』産科医でも、有名な槇村奏弥医師の診察。

「おめでとうございます。奥様は妊娠しています。妊娠九週目ですね」

超音波メーカーと厚い親交のある当病院の超音波断層装置は最新鋭で、赤ちゃんの微動な心臓の血液描写が見られると説明を受けた。

「これが子宮。子宮は元々茄子の形をした器官で、この勾玉のようなモノがお二人の赤ちゃんです」

茄子の中に宿った豆。

私達は思わず槇村先生の例え方に笑った。

先生はドップラーを私のお腹に当て、赤ちゃんの心音を聴かせてくれた。

ドッドッと胎内から聞こえる赤ちゃんの力強い心臓の拍動。

「赤ちゃんの心拍数は大人よりも速く一分間に110~160回程…聴こえますか?」

「はい…聴こえます。ねっ、雅樹さん」

「ん、あ・・・本当に赤ちゃんが妻のお腹の居るんですね…感動します」

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