離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
私達は診察を終え、そのまま車で区役所に向かい、母子手帳の交付を受けた。

「疲れてないか?梓」
信号待ちで車を停止させ、助手席に座る私の顔色を伺い、問いかける。
雅樹さんは事あるごとに妊娠した私のカラダを気遣う言葉を繰り返した。

「大丈夫ですよ」

「俺に気を遣って嘘は言ってないか?」

「言ってませんよ…」

「でも、妊娠するとカラダが凄く疲れやすいと書いてあった」

「それは人それぞれだと思いますけど」

「そっか…」

「そうですよ。ほら、信号青になりましたよ」

彼は慌ててアクセルを踏み、車を走らせる。

「仕事どうする?」

「可能な限りは続けようと思いますが…」

「俺も君を部屋で一人するのは心配だし、そばに居た方が余計なコトを考えずに済む」

「じゃ続ける方向で」

「そうだ・・・双方の両親にも梓の妊娠を伝えないとな…」

「私はもうラインで伝えました」

「えっ?そうなのか?」

「後は社長夫妻に伝えるだけですよ。雅樹さん」

「そっか…」




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