離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
私達の部屋と同じでワンフロアのLDK
広さ的には同じ二十畳から三十畳ぐらい。
でも、同じ間取りでも、家具の配置やカーテンの色合い、飾ってある調度品でガラリと部屋の印象は変わる。
赤ちゃんが一人居るとあってラグは可愛い動物柄でバウンサーやベットがソファセットの脇に置かれ、可愛い車の形をした玩具箱にはカラフルな玩具がいっぱい入っていた。シックな部屋の雰囲気が赤ちゃん一人の存在で台無しだけど、幸せで溢れていた。

私達の部屋も一年後にはこんな風に雑然としちゃうかもしれない。

でも、それはそれで家族が増えた証だし、私は嬉しい。
高崎社長夫妻に私達の夫婦の未来の形を重ねた。


私達は二人でソファに腰を下ろし、鍋が出来上がるのを待つ。

「ほら、高屋副社長」

高崎社長が缶ビールを雅樹さんに手渡す。

「サンキュー」

「奥さんは何飲む?」

「あ…何がありますか?」

「ウーロン茶にオレンジジュース、コーラもあるよ」

「じゃウーロン茶で…」

「待ってて…」

高崎社長は実来斗君を抱っこしたままキッチンに戻って行った。

< 137 / 202 >

この作品をシェア

pagetop