離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
高屋副社長は器用に左手で実来斗君を抱っこして、右手に缶ビールを持ち、雅樹さんとカンパイした。

「鍋も出来たぞ!!竣斗に高屋」

「神戸先輩ありがとう御座います」


「浩明、俺達は先に飲んでるぞ…」

「俺の分は?」

「冷蔵庫の中だ…」

「相変わらずいい根性してるな…峻斗」

神戸さんはキッチンに足を向け、自分の缶ビールを取りに行った。

四人でテーブルを囲んで、冬の定番のちゃんこ鍋を頂く。
高崎社長の奥様・万葉さんとは今日が初対面。
サラサラした黒髪のロングヘアをローポニで一纏め、クリッとしたこげ茶色の瞳に鼻筋の通った美人の奥様。イケメンの高崎社長と並んでも見劣りは全くしない。

小まめに気が付き、一緒に居てほっこりする家庭的なタイプの女性かもしれない。


「美味しいです」

「梓さんがいっぱい食べてよ」

「峻斗さん…身重だからと言って二人分食べるのは今時ナンセンスですよ…」

「そうなのか?万葉」

「そうですよ。無暗に梓さんを太らせて妊娠糖尿病とかになったらどうするんですか?」

「それは困る…梓…食べるのはほどほどにしろっ」

「分かってます」

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