離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
「店長の仕事には慣れました?」

「あ・・・まぁね…オープンしたてだから…凄く忙しいな…一日慣れない立ち仕事してるから…疲れるよ」

「そうですか…」

「やっぱり…高屋夫人とは仲いいんですね…神戸店長」

「君は確かインフォーメーションの…」

「はい、前田美映です!!神戸店長」

「前田さん…高屋夫人とは仲いいの?」

「私の同期なんです…」

「同期?へぇー…」

神戸さんは合掌し、食事を始める。

「私、この間…ベルギー産のカマンベールチーズ買いました…」

美映は神戸さんに必死に話し掛け、アプローチした。

「それはありがとう…あのカマンベールチーズは…」

神戸さんは美映とワインの話で盛り上がる。
私と交際していた時は私が話し掛けないと話さなかった無口な人。人見知りもすると言っていた。

でも、今は美映と親し気に話をしていた。

人は変わっていくんだと私は変わった神戸さんを黙って見つめた。

「高屋夫人?」

「あ・・・」

「どうしたんだ?」

「別に…私…雅樹さんの弁当を買いに行かないといけないので先に行きますね」
「そうなのか…じゃ」


私は二人において、先に腰を上げて地下の食料品売り場へと急いだ。


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