離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
「前田さんとはゆっくり話できたのか?」

「はい」

雅樹さんは鰻重を箸で口に運ぶ。

私はお茶を飲み、彼の食べる姿を目の前で見つめた。

「途中、神戸さんが来て…」

「神戸先輩がへぇー…疲れてなかったか?」

「少し疲れてました…」

「だろうな…『セボン』結構売上好調だから…ワインの種類も豊富だし、食材も普通ではなかなか手に入らないモノをおいてるから…それがプレミアを齎して…リピーターが買いに来るんだよ…今度、朝の情報番組の取材が入るらしいよ…」

「へぇー…」

雅樹さんは思い切った本店のリニューアルに少し不安を抱きながらも今の所は好調だからとても上機嫌だった。

「じゃ前田さんと神戸先輩の三人で食べたんだな…」

「はい…二人でワインとチーズの話で盛り上がっていました…」

「前田さんって彼氏居たっけ?」

「最近、彼に浮気で別れたとか…」

「じゃ居ないんだ…神戸先輩も全然居ないし、四人で食事でも行こうか?」

雅樹さんの思わぬ提案に戸惑った。

「あ…そうね…」

美映は神戸先輩に気があるし。

私も雅樹さんの提案に乗った。
< 146 / 202 >

この作品をシェア

pagetop