離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
カラダから始まる恋もあるんだと初めて知った。

今まで、何の感情も抱かなかった副社長と秘書としての二年間は一体何だったんだろうか?
そう思わずにはいられなかった。

「副社長?」

後部座席に腰を下ろしタブレットをジッと見て石のように固まった俺をミラー越しに不思議そうに世良は見つめた。


「すまない…ボーッとしていた・・・」

「何か問題があるのかと焦りました…」

「遊佐って…真面目な女だよな…」

「まぁー・・・」

「…大学時代の後輩だろ?遊佐の交友関係はどうだった?」

「・・・そこまでは…副社長…もしかして…遊佐に手を出しました?」

「・・・手を出したと言うか…彼女に煽られた…」
不覚だった・・・あの色気は反則だ。
俺の今まで知る遊佐と違い過ぎて、逆にそれがギャップになってマジで惚れてしまった。

「その上…キモチを持っていかれた…」

「えっ?」

「…責任を取って結婚するかもしれない…」
自分自身の口から『結婚』の二文字が出るなんて、俺自身も驚いてしまった。

政略結婚に失敗し、双方の浮気で離婚してしまった両親を見て育った俺は結婚に明るい展望が持てなかった。
その俺の口から遊佐と結婚する。
そんな爆弾発言が飛び出したんだ。

世良の切れ長の瞳も見開き、驚きで言葉も出なかった。

でも、結婚に対して永遠の愛が見えないのは同じ。

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