離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花～

けたたましい音。
警笛音のように聞こえ、私の胸はざわついた。
音の正体はクラクション。
蛇のようにうねったコーナーの続くワインディングロードに気を取られていたせいか正面から猛スピードで突っ込んでくる大型トラックの存在に気付くのが遅れた。

このままでは正面衝突してしまう。


あの時の事故が脳裏を鮮明に蘇る。

「くそっ！？」

雅樹さんは慌ててハンドルを切って反対車線へと逃げ込もうと車線変更した。



私は咄嗟に目を瞑った。

でも、私達の車はトラックとの衝突は回避できず、激しく車体が傾いた。

そして、そのまま車はガードレールの向こうの渓谷へと落下、私はその衝撃でそのまま意識を手放してしまった。