離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
猛スピードの大型トラックと接触し、凄まじい衝撃をカラダに受けた。
赤ちゃんが無事である確証はない。
それに雅樹さんも…
私はまた一人残されてしまったかもしれない。
槇村先生は私を気遣い、嘘を言っている。
そう思う方が普通だった。

看護師が鎮痛剤の注射を打ち、私は又眠りに落ちた。
赤ちゃんは私が搬送されて直ぐに槇村先生の執刀で帝王切開で取り出されたと説明された。
男児だった。
でも、私には全く赤ちゃんの姿を見せてくれなかった。


眠りを繰り返しながらもベットに縛り付けられた生活。

月日も時間の感覚も全くなかった。


時折、お義父さんとお義母さんが面会に来る。

「雅樹さんは?赤ちゃんは本当に大丈夫なの?」

来るたびに何度も私は二人に同じ質問を繰り返すけど、少し言葉に詰まり、「心配するな…二人は大丈夫だ」
と私を取り成した。



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