離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
静かなに眠る彼の脇には十五インチの大きさの液晶ベッドサイドモニターが呼吸曲線、心拍数、呼吸数、脈拍数が赤や青の色の数字で表示されていた。
「全身骨折で脳に大きなダメージを受け幾度と手術を繰り返した。私達もできる限りのコトしたつもりだ。しかし、この通り…雅樹は植物状態だ…いつ目が覚めるか…このままずっと眠り続けるか…分からない」
「雅樹…さん」
私は彼の手に手を伸ばした。
骨ばった長い五本指と私の五本指を絡める。
「君に訊きたいコトあるんだ…梓さん」
高屋社長は私の膝元に一枚の紙切れを置いた。
「これは…」
婚姻届と一緒に書いた離婚届。
私達の名前が書かれ、捺印もされていた。
「雅樹の書斎の引き出しから出て来たんだ…最初から君たちは『花菱銀行』の脇坂頭取の令嬢との見合いを断る為に…結婚を偽装したのか?」
「…そうです…でも・・・私達は本当に愛し合ってしまったんです…だから…この離婚届は無効です」
「悪いコトは言わないわ…梓さん…貴方はまだ若い…雅も私達が引き取って責任もって育てます勿論、雅樹さんの世話も私達がします…慰謝料だって用意するわ…だから…雅樹さんと離婚して・・・」
「離婚はしません!!」
私は離婚届を破り捨てた。
「全身骨折で脳に大きなダメージを受け幾度と手術を繰り返した。私達もできる限りのコトしたつもりだ。しかし、この通り…雅樹は植物状態だ…いつ目が覚めるか…このままずっと眠り続けるか…分からない」
「雅樹…さん」
私は彼の手に手を伸ばした。
骨ばった長い五本指と私の五本指を絡める。
「君に訊きたいコトあるんだ…梓さん」
高屋社長は私の膝元に一枚の紙切れを置いた。
「これは…」
婚姻届と一緒に書いた離婚届。
私達の名前が書かれ、捺印もされていた。
「雅樹の書斎の引き出しから出て来たんだ…最初から君たちは『花菱銀行』の脇坂頭取の令嬢との見合いを断る為に…結婚を偽装したのか?」
「…そうです…でも・・・私達は本当に愛し合ってしまったんです…だから…この離婚届は無効です」
「悪いコトは言わないわ…梓さん…貴方はまだ若い…雅も私達が引き取って責任もって育てます勿論、雅樹さんの世話も私達がします…慰謝料だって用意するわ…だから…雅樹さんと離婚して・・・」
「離婚はしません!!」
私は離婚届を破り捨てた。