離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
誰にも聞けなかった事故の状況。
正面から突っ込んで来た大型トラックの運転手は持病のてんかんを運転中に起こし、意識を失った。運転手の意識喪失により、トラックは暴走車となり、私達の車と衝突した。
その後、運転手も私達と同じように病院に搬送されたが死亡。

加害者死亡で賠償責任の問題とかはどうなっているのか全く関与していなかった。

「お二人を乗せた車が落ちた渓谷は非常に救助が困難な場所でした。
ドクターヘリで搬送できる患者は二名。
運転手一人とまだ意識のあった御主人が先に搬送される予定でした」

「えっ!?」

「貴方は心肺停止状態でトルアージでは黒に近い状態でした。死亡確認をしようとした時、御主人がお二人を救ってくれ、最後まで諦めないでくれと懇願され、我々も必死に蘇生を試みました」


「・・・」
「貴方は御主人の期待通り息を吹き返したのです」


そのまま私の死亡が確認されたら

―――――彼が先にドクターヘリで搬送されていて助かったかもしれない。
植物状態にはならなかったのかも…


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