離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
最近、あんよを始めた雅はそこら中を歩き回り、寝てる雅樹さんのカラダに取り付けているコードを引っ張った。
「雅!!?ダメよ!?引っ張ったら…パパのカラダに繋がっている大事なコードだから…」

「待って…」

加藤さんは急に神妙な顔つきで雅樹さんの手を見た。
「僅かだけど…指が動いてるわ…」

加藤さんがナースコールのブザーを押した。

「伊集院先生を呼んで来て…」

直ぐに担当医師の脳神経外科の伊集院和寿(イジュウインカズ)先生が来た。
「指が僅かですが動きました…」

「そう…」

「奥様は御主人に何と話し掛けられたんですか?」

「この子がコードを引っ張って悪さをするから…叱っただけですけど…」

「何て?」

「ダメよ、引っ張ったら…パパのカラダに繋がっている大事なコードだからと…」

「きっとご主人はパパと言う言葉に反応したのかもしれませんね…意識回復で一番先に回復する機能は聴覚だと説明しましたが…ようやく・・・奥様の努力が功を奏しましたね…」

「じゃ頑張れば…」


「希望はあります…」

希望…その伊集院先生の言葉が私の頭の中でループした。



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