離婚前提マリアージュ~エリート副社長と育てる愛の花~
そして、また桜の季節が訪れた。

来月の五月十五日が雅の二歳の誕生日。
私と雅樹さんの運命が一転した日でもある。

雅と二人で病院の中庭の満開の桜の木を硝子越しに愛でながら、雅樹さんの病室を訊ねる。

「ママ」

「ブーブー」

「わんわん」と片言ながらもお喋りが出来るようになった。
極小未熟児に産まれた雅の成長曲線は他の子よりも緩やかだけど、障害もなく、順調に成長していた。
二人で手を繋ぎ、雅樹さんの病室のドアを開ける。

ベットで眠り続ける雅樹さん。

彼は私の最愛の夫。

そして雅のパパ。

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